2013年11月11日月曜日

平賀 敬 書に遊ぶ

今回は立石百景ではなく、私の実家の平賀敬美術館を宣伝させて頂きます。


場所は箱根湯本にあり、個人美術館で温泉付きというのはおそらくここだけで、亡き父、平賀敬も愛した源泉掛け流しの風呂がある築100年の館内には、彼の二十歳の頃の油彩画から絶筆まで40点ほど常設しています。






2年前から、父の命日に合わせて企画展を行っていますが、今回の企画は
[平賀 敬 書に遊ぶ]です。

亡くなる10年ほど前に大磯から箱根に移り住んだ父は、絵よりも書を多く残しました。
俳句、短歌、漢詩、書が好きな事もあって、観光地としては敬のエロチックな作品よりも、むしろ書や看板の字などを頼まれる機会が多く、おのずと書が増えて行きました。




書の道の心得は決して多くはない父ではありましたが、字統(字源字典)を彼からプレゼントされた時から、彼の書は書道家のものではなく、画家の書、絵だと思うようになりました。


ここで少々、添付のポスターにある書の解説をします。

●左上  夏爐冬扇(かろとうせん)
    夏の炉、冬のおうぎ=私のような、使い物にならないことを意味します。

●右上  柚子満載 四 t トラック横転す
    自作の俳句です。豪快さの中にも小さな黄色たちが弾け飛ぶ美しさがあります。

●右中  花火三千 行灯海月溺れけり
    自作の俳句です。あんどんクラゲは派手に光る行灯型のクラゲ。
    三千発の派手な花火に嫉妬したか、気圧されたか、さもなければ…
    クラゲは彼自身で、花火は遊郭の花魁か?

●下   自作の漢詩です。
    一日中飲んでいる酒飲みの事が書かれています。


何が書かれているのか、どういった意味なのかが分からないものでも、絵や書は充分に楽しめる世界だと思います。
お近くにお越しの際は、温泉のついでに敬の書と戯れて下されば幸いです。
           
                          講師  平賀 太郎 


※追伸
 京橋で平賀敬コレクションⅢという企画展があります。
 こちらも是非ともよろしくお願い致します。












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