2013年12月20日金曜日

スーラ先生

 前回は行きそびれた話でしたので、今回は行った話を。
会員の方からチケットを頂いたので 「印象派を超えて 点描の画家たち」を国立新美術館へ見に行ってきました。
先日講師室でスーラのデッサンの素晴らしさについて話をしていたところだったので、タイミング良く見られることに運命を感じてしまいました。

スーラのデッサンを始めて見たのは高校生の頃。
予備校の先生が悩んでいる私に「きれいでしょ」と言って見せてくれた時でした。
当時の私は自分のデッサンがスカスカした感じにしか仕上がらなくて、カチッとしたデッサンをかける人が羨ましくて仕方がなかったのです。なのでそれを見せられたときはこれもありなんだなと目の前が明るくなった事をおぼえています。今の私がいるのもひとえにスーラとその先生、二人の先生のおかげです。

展示では本物のデッサンが飾ってありました。キラキラ輝いている油絵も良いけれど、紙の目を大事にしながら丁寧に描かれているデッサンは私にとってそれ以上に輝いて見えました。

東京での展示は23日で終わってしまうようですが、広島、愛知と巡回するようなので興味のある方は是非ご覧になってみて下さい。スーラはもちろんのこと、ゴッホやモンドリアンに至るまで点描表現の作品が見られる良い展示です。
本日の担当は福井でした。

ジョルジュ・スーラ「マフをはめた婦人」



2013年12月19日木曜日

大和 聖美展/平賀 敬美術館

今回も立石百景ではなく、私の実家である平賀敬美術館の企画展を宣伝させて頂きます。 美術館については11/11の講師ブログ、もしくは平賀敬美術館のホームページをご覧下さい。 2014年2月8日(土)〜17日(月)に、平賀敬美術館の内蔵を使用した企画展、 大和聖美(やまときよみ)さんの個展を開きます.
大和さんは、日本書道大学大学院卒の書道家で、文学の世界をテーマに描き続けています。 前回のブログでも描きましたが、画家の書というものは、書の道の心得は決して多くはありませんが、絵としての書が多く存在します。 一方、大和聖美さんの書は、書家のものですが、天地を必要とせず、シャボン玉の表面のように光の書が乱反射する作品群は、舞台を演じる表現者を連想させます。 それ故に彼女の作品は、私には、平面ではなく立体作品に映り、そこも面白く感じられる要素の1つだと思っています。 平賀敬の書とはまたひと味違った、大和さんの書の世界をたっぷりご堪能頂ければ幸いです。                                                               講師:平賀 太郎

2013年12月15日日曜日

クリスマス

銀座教室界隈はすっかりとクリスマスムードです。

教室からもショーウィンドウなどのイルミネーションが見えて気分も盛り上がります。

そんな私も盛り上げ役の1人としてクリスマス展に参加しています。





鹿児島県薩摩川内市にあるギャラリー”U1space"というギャラリーに1点展示されます。

大御所のイラストレーター唐仁原教久さんをはじめご活躍されているイラストレーターさん方とのグループ展です。


私は今回はイラストを展示しています。



こちらが展示作品です。

作品は青いボールペンとアクリル絵の具を使用しています。

木や窓淵の版画みたいに見えるところはステンシル技法を使っています。

イラストレーションは紙媒体に印刷される事を想定して描くことが多い為、面白い材質感

を探求した結果このような絵柄になりました。


クリスマスのわくわくした感じが伝わればいいなと思います。

隠れサンタ見つかりましたか?



銀座教室講師 日笠









2013年12月14日土曜日

ルオーとモロー

銀座校の原田です。

ルオーがあんなに写実的な絵が上手いなんて知らなかった。

先日パナソニック汐留ミュージアムの「モローとルオー 聖なるものの継承と変容」展を観た。


ルオーというとこんな感じのキリストやピエロの絵が思い浮かぶ。

パレットで捏ねた絵具をぐちゃっと画面になすりつけたような、こどもが遊んで描いているみたいなスタイル。
                                                でも若い頃はギュスターブ・モローのもとで緻密でデリケートな写実的な絵を描いていたことをこの展覧会で知った。

                                                ギュスターブ・モローはフランスの国立美術学校の教授(日本でいうと芸大の先生か)で、生徒としてマティスやマルケ、ルオーたちがいた。

生徒たちからも人気があるいい先生だったというのは有名。

ルオーは中でも随分かわいがられたらしい。

「石臼をまわすサムソン」はモローの指導を受けたルオーがローマ賞(受賞するとローマに行ける)に出品するために描いたもの。







残念ながら受賞を逃すが、モローはそれを模写している。



弟子が師の作品を模写するのはあたりまえだけど、師が弟子の作品を描くなんて。
その行動に生徒から慕われたモロー像を見た気がする。



それにしてもルオー。
初期のスタイルからキリストやピエロへの変容は、卵の殻の上を歩くような演奏だと例えられたマイルス•デイヴィスが、電気楽器を使用して破壊的なスタイルに変貌していったのと同じく、激しい。
同時代の印象派に対してのモローの神話スタイルも異様だが、ルオーもずいぶん独特だ。だからこそ美術の歴史に組み込まれる巨匠になったと言えるが。







                                                                          
                                            

2013年12月12日木曜日

クロッキーの話


11月の中旬に授業でクロッキーを行いました。


クロッキーとはモデルさんを短時間(5分~15分程度)で早描きすることを言います。

時間が限られており、次々にポーズを変えてゆくので細部にこだわっていると、全体のバランスが取れなくなってしまいます。

そこで、人体の立体感とリズムを線描きとして処理します。輪郭線の「太い~細い」や「濃淡」に変化をつけて捉えてゆく描き方が一般的です。

線の表情に差をつけることで、体の陰影(絵画の世界では調子、トーン、などと呼びます)を描き込まなくとも、ある程度モデル全体の雰囲気を伝えることができます。


画学生の頃はよくモデルさんのデッサンをしたものですが、今はこのような機会がない限り描くことはありません。久しぶりの充実した、そして贅沢な勉強の時間になりました。




             
                     クロッキー帳にパステル鉛筆:8分くらい




今回は馬場俊光が担当させて頂きました。


2013年12月4日水曜日

美術書の古書店「ボヘミアンズ・ギルト」


銀座校すずきです。
月に2度、会議のために本社のある神保町へ訪れるのですが
時間のある時は少し早く向かい、神保町界隈を散策。
古書店、喫茶店、カレー屋が数多く並ぶ本好きにはたまらない街。

まずは腹ごしらえ。
昭和30年創業の有名店「さぼうる」。
ランチ時には行列も出来る繁盛店。
ナポリタンを注文、サラダとセットで650円。
かなりの量あります。

地下鉄神保町駅すぐ
王道のナポリタンです



お気に入りの古本屋さん「ボヘミアンズ・ギルト」。
海外・日本の美術書が専門のお店。
“慣習にとらわれない自由奔放な芸術家の集まり”という店名だそうです。
品数が少ない書店の美術書のコーナーと比べるとここはパラダイス!
画集もたくさんあり、うっとりしているうちに時間が過ぎてしまいます。

探している画集がある人にはおすすめのお店です。
画集や図録の他にも、建築、写真、思想、哲学など私も好きなジャンルの本でいっぱいです。


美術書の古書店「ボヘミアンズ・ギルト」



今回はずっと読みたかったこの本を買いました。
ジャコメッティ「エクリ」。
彫刻家であり油画も描くジャコメッティ。
針金のように細く研がれていったフォルムの人物像が有名です。
この本は作家自身のメモや言葉で全編構成されていて、作家の日記をのぞいているかのよう。




『さぼうる』
〒100-0000 東京都千代田区神田神保町1-11
地下鉄神保町駅からすぐ03-3291-8404
9:00~22:30(閉店23:00)
日曜、祝日不定休(GW休、盆時期休、年末年始休)

『ボヘミアンズ・ギルト』
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1−1木下ビル1F・2FTEL:03-3294-3300
年中無休平日・土曜日 11:00〜19:30日曜日・祝日 11:00〜18:00




2013年12月2日月曜日

真鶴半島ぶらり旅

銀座校下工垣です

真鶴にある中川一政美術館に行ってきました。

新宿から小田急線で終点の小田原駅へ。
小田原駅から東海道線で3駅で真鶴です。
東京駅から東海道線で一本でもいけます。

電車の中から海が見えました。
東京から近いのに駅を降りると空気がおいしいです。

駅からバスに乗り、美術館に向かいます。

美術館までの道のりの景色を楽しんでいるうちに到着。
漁港の中をバスで通りました。
懐かしい気持になる景色です。
美術館は小高い山の上にあり、
その下には海が見えてとても景色が良いです。




中に入ると、今バスの中からみた景色が美術館の中にも広がっています。
真鶴の漁港を描いた作品が数多く展示してあるのです。
中川一政は、真鶴、箱根の景色を気に入っていて
「日本一広いアトリエ」
と、真鶴の漁港で毎日毎日絵を描き続けたそうですが、
その景色の中をバスで通ってきたのだなと幸せな気持になりました。
バスの中から作品の世界に入ってゆけて、真鶴の街全部が美術館のようだなと思いました。





作品の余韻の中、帰りは美術館から歩いて駅まで向かいました。
40分ぐらいで到着しました。

駅までの道のりは、右を見ても左を見ても海が見えます。
何度も立ちどまり、景色を楽しみながら駅まで帰ってきました。



この日はデジタルカメラを忘れた上に携帯の電源も途中で切れて、写真が一枚しか撮れなかったので心の中に沢山の風景写真を留めておきます。