2013年12月20日金曜日

スーラ先生

 前回は行きそびれた話でしたので、今回は行った話を。
会員の方からチケットを頂いたので 「印象派を超えて 点描の画家たち」を国立新美術館へ見に行ってきました。
先日講師室でスーラのデッサンの素晴らしさについて話をしていたところだったので、タイミング良く見られることに運命を感じてしまいました。

スーラのデッサンを始めて見たのは高校生の頃。
予備校の先生が悩んでいる私に「きれいでしょ」と言って見せてくれた時でした。
当時の私は自分のデッサンがスカスカした感じにしか仕上がらなくて、カチッとしたデッサンをかける人が羨ましくて仕方がなかったのです。なのでそれを見せられたときはこれもありなんだなと目の前が明るくなった事をおぼえています。今の私がいるのもひとえにスーラとその先生、二人の先生のおかげです。

展示では本物のデッサンが飾ってありました。キラキラ輝いている油絵も良いけれど、紙の目を大事にしながら丁寧に描かれているデッサンは私にとってそれ以上に輝いて見えました。

東京での展示は23日で終わってしまうようですが、広島、愛知と巡回するようなので興味のある方は是非ご覧になってみて下さい。スーラはもちろんのこと、ゴッホやモンドリアンに至るまで点描表現の作品が見られる良い展示です。
本日の担当は福井でした。

ジョルジュ・スーラ「マフをはめた婦人」



2013年12月19日木曜日

大和 聖美展/平賀 敬美術館

今回も立石百景ではなく、私の実家である平賀敬美術館の企画展を宣伝させて頂きます。 美術館については11/11の講師ブログ、もしくは平賀敬美術館のホームページをご覧下さい。 2014年2月8日(土)〜17日(月)に、平賀敬美術館の内蔵を使用した企画展、 大和聖美(やまときよみ)さんの個展を開きます.
大和さんは、日本書道大学大学院卒の書道家で、文学の世界をテーマに描き続けています。 前回のブログでも描きましたが、画家の書というものは、書の道の心得は決して多くはありませんが、絵としての書が多く存在します。 一方、大和聖美さんの書は、書家のものですが、天地を必要とせず、シャボン玉の表面のように光の書が乱反射する作品群は、舞台を演じる表現者を連想させます。 それ故に彼女の作品は、私には、平面ではなく立体作品に映り、そこも面白く感じられる要素の1つだと思っています。 平賀敬の書とはまたひと味違った、大和さんの書の世界をたっぷりご堪能頂ければ幸いです。                                                               講師:平賀 太郎

2013年12月15日日曜日

クリスマス

銀座教室界隈はすっかりとクリスマスムードです。

教室からもショーウィンドウなどのイルミネーションが見えて気分も盛り上がります。

そんな私も盛り上げ役の1人としてクリスマス展に参加しています。





鹿児島県薩摩川内市にあるギャラリー”U1space"というギャラリーに1点展示されます。

大御所のイラストレーター唐仁原教久さんをはじめご活躍されているイラストレーターさん方とのグループ展です。


私は今回はイラストを展示しています。



こちらが展示作品です。

作品は青いボールペンとアクリル絵の具を使用しています。

木や窓淵の版画みたいに見えるところはステンシル技法を使っています。

イラストレーションは紙媒体に印刷される事を想定して描くことが多い為、面白い材質感

を探求した結果このような絵柄になりました。


クリスマスのわくわくした感じが伝わればいいなと思います。

隠れサンタ見つかりましたか?



銀座教室講師 日笠









2013年12月14日土曜日

ルオーとモロー

銀座校の原田です。

ルオーがあんなに写実的な絵が上手いなんて知らなかった。

先日パナソニック汐留ミュージアムの「モローとルオー 聖なるものの継承と変容」展を観た。


ルオーというとこんな感じのキリストやピエロの絵が思い浮かぶ。

パレットで捏ねた絵具をぐちゃっと画面になすりつけたような、こどもが遊んで描いているみたいなスタイル。
                                                でも若い頃はギュスターブ・モローのもとで緻密でデリケートな写実的な絵を描いていたことをこの展覧会で知った。

                                                ギュスターブ・モローはフランスの国立美術学校の教授(日本でいうと芸大の先生か)で、生徒としてマティスやマルケ、ルオーたちがいた。

生徒たちからも人気があるいい先生だったというのは有名。

ルオーは中でも随分かわいがられたらしい。

「石臼をまわすサムソン」はモローの指導を受けたルオーがローマ賞(受賞するとローマに行ける)に出品するために描いたもの。







残念ながら受賞を逃すが、モローはそれを模写している。



弟子が師の作品を模写するのはあたりまえだけど、師が弟子の作品を描くなんて。
その行動に生徒から慕われたモロー像を見た気がする。



それにしてもルオー。
初期のスタイルからキリストやピエロへの変容は、卵の殻の上を歩くような演奏だと例えられたマイルス•デイヴィスが、電気楽器を使用して破壊的なスタイルに変貌していったのと同じく、激しい。
同時代の印象派に対してのモローの神話スタイルも異様だが、ルオーもずいぶん独特だ。だからこそ美術の歴史に組み込まれる巨匠になったと言えるが。







                                                                          
                                            

2013年12月12日木曜日

クロッキーの話


11月の中旬に授業でクロッキーを行いました。


クロッキーとはモデルさんを短時間(5分~15分程度)で早描きすることを言います。

時間が限られており、次々にポーズを変えてゆくので細部にこだわっていると、全体のバランスが取れなくなってしまいます。

そこで、人体の立体感とリズムを線描きとして処理します。輪郭線の「太い~細い」や「濃淡」に変化をつけて捉えてゆく描き方が一般的です。

線の表情に差をつけることで、体の陰影(絵画の世界では調子、トーン、などと呼びます)を描き込まなくとも、ある程度モデル全体の雰囲気を伝えることができます。


画学生の頃はよくモデルさんのデッサンをしたものですが、今はこのような機会がない限り描くことはありません。久しぶりの充実した、そして贅沢な勉強の時間になりました。




             
                     クロッキー帳にパステル鉛筆:8分くらい




今回は馬場俊光が担当させて頂きました。


2013年12月4日水曜日

美術書の古書店「ボヘミアンズ・ギルト」


銀座校すずきです。
月に2度、会議のために本社のある神保町へ訪れるのですが
時間のある時は少し早く向かい、神保町界隈を散策。
古書店、喫茶店、カレー屋が数多く並ぶ本好きにはたまらない街。

まずは腹ごしらえ。
昭和30年創業の有名店「さぼうる」。
ランチ時には行列も出来る繁盛店。
ナポリタンを注文、サラダとセットで650円。
かなりの量あります。

地下鉄神保町駅すぐ
王道のナポリタンです



お気に入りの古本屋さん「ボヘミアンズ・ギルト」。
海外・日本の美術書が専門のお店。
“慣習にとらわれない自由奔放な芸術家の集まり”という店名だそうです。
品数が少ない書店の美術書のコーナーと比べるとここはパラダイス!
画集もたくさんあり、うっとりしているうちに時間が過ぎてしまいます。

探している画集がある人にはおすすめのお店です。
画集や図録の他にも、建築、写真、思想、哲学など私も好きなジャンルの本でいっぱいです。


美術書の古書店「ボヘミアンズ・ギルト」



今回はずっと読みたかったこの本を買いました。
ジャコメッティ「エクリ」。
彫刻家であり油画も描くジャコメッティ。
針金のように細く研がれていったフォルムの人物像が有名です。
この本は作家自身のメモや言葉で全編構成されていて、作家の日記をのぞいているかのよう。




『さぼうる』
〒100-0000 東京都千代田区神田神保町1-11
地下鉄神保町駅からすぐ03-3291-8404
9:00~22:30(閉店23:00)
日曜、祝日不定休(GW休、盆時期休、年末年始休)

『ボヘミアンズ・ギルト』
〒101-0051東京都千代田区神田神保町1−1木下ビル1F・2FTEL:03-3294-3300
年中無休平日・土曜日 11:00〜19:30日曜日・祝日 11:00〜18:00




2013年12月2日月曜日

真鶴半島ぶらり旅

銀座校下工垣です

真鶴にある中川一政美術館に行ってきました。

新宿から小田急線で終点の小田原駅へ。
小田原駅から東海道線で3駅で真鶴です。
東京駅から東海道線で一本でもいけます。

電車の中から海が見えました。
東京から近いのに駅を降りると空気がおいしいです。

駅からバスに乗り、美術館に向かいます。

美術館までの道のりの景色を楽しんでいるうちに到着。
漁港の中をバスで通りました。
懐かしい気持になる景色です。
美術館は小高い山の上にあり、
その下には海が見えてとても景色が良いです。




中に入ると、今バスの中からみた景色が美術館の中にも広がっています。
真鶴の漁港を描いた作品が数多く展示してあるのです。
中川一政は、真鶴、箱根の景色を気に入っていて
「日本一広いアトリエ」
と、真鶴の漁港で毎日毎日絵を描き続けたそうですが、
その景色の中をバスで通ってきたのだなと幸せな気持になりました。
バスの中から作品の世界に入ってゆけて、真鶴の街全部が美術館のようだなと思いました。





作品の余韻の中、帰りは美術館から歩いて駅まで向かいました。
40分ぐらいで到着しました。

駅までの道のりは、右を見ても左を見ても海が見えます。
何度も立ちどまり、景色を楽しみながら駅まで帰ってきました。



この日はデジタルカメラを忘れた上に携帯の電源も途中で切れて、写真が一枚しか撮れなかったので心の中に沢山の風景写真を留めておきます。

2013年11月30日土曜日

展示を見に行きました。

銀座校の坂田です。


先日銀座校の会員OBであるなかむらたけしさんの展示を見に行ってきました。

なかむらたけしさんは元々私のクラスにいらっしゃった方で、
今でも銀座校のためにいろいろと協力してくださっていて大変お世話になっています。
勢力的に個展も毎年していらして、クラスに良い影響を与えてくださってます。


オーナさんの実家ががイチゴ農家でイチゴのスウィーツが充実していました。


今回の場所は東京谷中のかわいいカフェ。
かわいらしいカフェの壁を飾るのは軽やかな、なかむらさんのスケッチ達。
ヨーロッパの風景だったり東京のレトロな風景だったり。


なかむらさんの素晴らしい所は訪れた場所で実際に短時間でスケッチをされてるので、
その街の空気を鑑賞者が感じる事ができる所です。




腕もますます上がっていました。さわやかな素敵な線が魅力的です。

新しく加わった谷中のスケッチが壁に


展示会期中も時間があれば谷中の街をスケッチされていて
壁に新しいスケッチがピンで展示されてました。

フレッシュで面白い展示!





2013年11月26日火曜日

客観的に見る

客観的に自分の作品を見るのはつくづく難しいなぁと感じる今日この頃です。

展示が控えているので、最近は部屋にこもって黙々と制作をする日が多くなってきました。
私の場合は作品が仕上がりに近づいてくると、夢中になって筆がどんどん進んでいきます。
ただ、そんな時こそふと自分の作品を客観的な視点で見たくなります。
離れて見たり、あえて制作を止めて部屋から出て、時間を置いて見たり。
ただ、どうしても制作をしている時のテンションが残っているので難しい・・・。

そう考えると、一番自分の作品を客観的に見ることができるのは展示をした時なのかもしれません。
飾ってある自分の作品を見ていると、自分の作品ではないように見える時があります。
そんな時はいいところもそうでないところも自然と咀嚼できてる気がします。
これはとても貴重な時間です。


ちなみに今制作している作品は、再来週から始まるグループ展に出品します。
お近くにお越しの際はぜひご高覧下さい。





銀座・恵比寿校講師 工藤

2013年11月22日金曜日

Las Meninas



まだまだ本格的な寒さには至らないものの、めっきりと北風の冷たさが身にしみる季節に
なりましたね。

さて先日、銀座8丁目の現代アートの展示を行っている資生堂ギャラリーにおじゃましました。
森村泰昌さんによる[LAS MENINAS RENACEN DE NOCHE] (侍女たちは夜に甦る)という
展覧会でした。

森村泰昌さんはベネチア・ビエンナーレにも選出された経験もある国内外で大活躍されている
日本を代表する現代美術作家です。

スペインバロックの巨匠ベラスケスによる、あの名作「Las Meninas(ラスメニーナス)」を
モチーフに、 森村さんが絵の中のすべての登場人物にそれぞれ扮し、全8幕で摩訶不思議な
1人芝居を見せる、という展示でした。

                 ↓ベラスケス「ラスメニーナス」

ベラスケスの「ラス・メニーナス」は観れば観るほど不思議な作品です。 本来なら絵画の外にいるはずの画家本人(ベラスケス)が絵の中に登場し、画家・モデル・鑑賞者の立場と視線が行き交うとても複雑な構図になっています。また、この絵はどんな目的で描かれたのか?ベラスケス(左の黒い服)が絵の中で描いている作品は何だったのか?などなど謎だらけの作品と言ってもよいと思います。

そんな謎だらけのベラスケスの「ラス・メニーナス」を、森村さんはただ再現するだけではなくて
この作品を元に新たなストーリーを作って、「全8幕の一人芝居」として表現しています。

とても謎めいていてスリリングな展示でした。謎解きが好きな方や、現代美術に興味がある方は
是非足を運んでみてください。


                              ↓ギャラリー内での撮影が許可されていましたので、写真を撮ってみました。 







銀座校 植松でした。




2013年11月20日水曜日

年齢

 人間は誰でも年をとる。
 考えてみれば生まれたての赤ちゃんだって刻一刻と年をとっている訳だけれど、ある年齢まではそれは「成長」と呼ばれ、あまり意識されない。少なくとも、問題視されることはない。
でも、年をとる、ってどういうことなんだろう。自身の経年変化を意識するからか、最近よくそんなことを考える。





 年をとって何が変わったか。
 いろいろあるのだろうが私には例えば歩き方だ。
 歩く時の身体の動かし方が明らかに変わった。見た目はわからないので自覚としての話である。骨格も筋肉の太さも体重も、日々変化しているらしい。あの頃の歩き方と違う自覚があるのに、その「あの頃」の再現が、もう出来ない。


 一方で、変わらない部分もある。
 ふとした瞬間、特に自身の限界を試すような時に、ああ何て変わっていないんだ、と思うことがある。我知らず逃げ腰の返事をしてしまった時、抑えられずストレートに感情を出してしまった時。あるいは絵を描き上げる刹那などにも。
 幼さ、というだけではない、自身の本質、のようなもの。



 それらと向き合うのは、こわいことでもある。
変わり得ない自分自身を見ることは、自分の未来を見ることでもあるのではないか。自分の中に占める過去の分量がだんだん増えていく。過去から未来を類推するようになる。未来予測の精度が上がるのは、こわい。






 しかし、自らの変化や、また頑として変わってくれない部分と、つまり自分との折り合いをつけるのがうまくなることこそが、年をとるということなのかも知れない。
 少し前まで、去年あたりまでは、「後悔は絶対にしたくない」と思っていた。というか、後悔はしてはいけないものだと思っていた。今は少し違う。後悔することで、見えるものもあるのかななどと思う。後悔もまた人生の味わい、とまではまだ、わりきれないけれど。


 40歳は人生の正午、と聞いたのは何処でだったか。
 しかしまだ浅い話なんだろうな。先に生まれた方からは、笑われたり叱られたりしそうだ。 今年のカレンダーもあと一枚になった。



銀座校講師 五十棲さやか

2013年11月18日月曜日

ひらめき




近ごろ周りは出産ブーム。

Facebookでは友人たちの育児奮闘記ばかり。

大変そうだけどかわいくていいな
と思いながら描いた作品です。

【まるくん 1】油彩 キャンバス F4

新しい命、喜び、感動、神秘、をイメージしてみました。


作品作りでは見たままをそっくり描くのではなくイメージやひらめき、構成を大切にしています。

ですから、
ひらめいてばかりの調子の良い時はいいのですが全く無いときは全く描けません。
コンスタントに描けるようになりたいです。




そして今は地元栃木県の小山駅近くにある友人のBAR【GEL'S BAR】に飾ってもらえるような絵を描こうと資料集めをしているところです。
http://1st.geocitiesーnjp/gelsbar/fremeset.htm

何で描こうか…水彩?アクリル?パステル?油彩? それとも鉛筆だけにしておこうか… 画材も迷うところです。


ひらめきやイメージを膨らませる為に先日【GEL'S BAR】に仕事後向かいました。
ちょうど私の誕生日も近かった為お誕生日のカクテルを作ってもらいました。

11月20日のカクテル【ピンククレオール】

私には似合わないくらいかわいらしいピンクの美味しいお酒で大変嬉しい気持ちになりました。


美味しいお酒、気持ちの良い空間にすっかり飲みすぎてしまいましたが、
おかげで色々なイメージが浮かんできました。


完成しましたらまたご紹介させていただくかもしれません。




誕生日ケーキの代わりに年齢分3?個のからあげクン

思っていたより実際積み上げてみると数が少なそうに見えましたが食べ応えはばっちりでした。



宇都宮校講師  渡辺昌代

2013年11月17日日曜日

修理のススメ


銀座・恵比寿校講師の吉澤です。

形あるものはいつか・・・とは言いますが、使い慣れたものが壊れてしまうのは、それが特別なものでなくても、切なくまた困ってしまうものですね。


なぜこのような話をしているかといいますと、よく使っていたお皿が割れてしまったのです。



見事にぱっくりと・・・


以前からひびが入っていて危ないとは思っていたのですが、こうなってしまえばもちろん使えません。


しかし、まめに使っていたし重宝もしていましたので、捨ててしまうには忍びない。

ということで、少し手間ですが金継ぎで直すことにしました。
ご存知の方も多いと思いますが、金継ぎとは割れたり欠けたりした器を漆で直し、そこに金蒔絵をする技法のことです。

欠けているお皿もあったので、ついでにこちらも直してしまおうと思います。

かなり大きく欠けてしまいました


最近では金継ぎのセットなども売られていますので、以前より身近に感じたり実際にされたことがある方も多いのではないでしょうか。



とりあえず漆で継いで乾かし中


まだ時間はかかりますが、お世話になっていたお皿ですし、また食卓で活躍してもらうためにも、多少の手間隙は惜しまず地道に直そうと思います。




2013年11月14日木曜日

秋深き私は何をする人ぞ

銀座校講師南です。

木枯らし一号が吹き抜け、いよいよ冬の気配が漂ってきました。
空気のほのかな冷たさに手をポケットに入れて街を歩いておりますと、そこかしこでクリスマスのディスプレイを見かけるようになりました。
今年もあと2ヶ月を切り、徐々に年末モードに。
そんな季節になったのですね。

郵便局の前を通り過ぎたとき、年末に向かって毎年やらなければならないことを一つ思い出しました。
それは「年賀状の制作」です。

私はこれまで、年賀葉書を自分の作品の一つとして作ってきました。
既に印刷されているものやパソコン出力のものなどは、特別な事情がない限りあまり送る気にはなりません。
普段の作品制作が思うようにいかなかった時期も、この年賀状を制作することだけは欠かしませんでした。

今では以前お世話になった方が楽しみに待っていたり、妻の友人は毎年のものをコレクションのようにしていると聞き及んでいます。
大先輩のクリエイターたちにも生半可なものは遅れませんので、ちょっとしたプレッシャーです。

例年は葉書に和紙を貼ったり、版画をプリント、落款、切手はお年玉付き、宛名は必ず手書きでコメントを添えて。
手間は掛かりますが、何年もお会いしていない方を含め、一年に一回のご挨拶なので相手を思い、丁寧にしたいと心掛けています。
今年も図案は少し考えてあるのですが、まだ決まっていません。

年末は毎年作品制作に入り込む時期と重なるため、つい出来上がるのがぎりぎりになってしまいます。

さらに子供の誕生日も年末にあり、これも毎年手作りのプレゼントを送っているので、そんなことをしていると流砂のごとく時間は過ぎてしまうのでした…。


お題は干支


これから寒さが強くなってまいります。
皆様、ご自愛ください。



2013年11月12日火曜日

とある一日

先日父から、パナソニック汐留ミュージアムでの「モローとルオー」展のチケットを貰ったので行ってみることにしました。

どうせならば何かのついでに行ければと思い、仕事が終わった帰りに行くことに。

宮崎台で行われた体験講座を終え、いざ新橋へ!
サラリーマンのおじさんやおねえさんをかき分け、地図を見ながらようやく汐留ミュージアムへたどりつきました。

入り口を探してキョロキョロしている私に気がつき警備のおじさんが近づいてきました。
「どちらをお探しですか?」
「美術館へ行きいたいのですが」
「あー。本日は休館日です。」
「え゛っ!」
今日はたしか水曜日のはず。確か美術館って月曜日が休館日だったような…
そんな私の心を見透かしたかのように
「月曜日の所が多いらしいんですが、ここは水曜日なんです。12月までやってますので、また来てください。」
いや、まぁ確かにもう一回来れば良い話ではあるのだが...銀座からすぐだし。
というか、おじさんの口ぶりからすると、他に間違って来た人が結構いるって ことでは…。うぅ。知ってるなら、そろえてよー(涙)
という私の心の叫びが届くわけもなく、その場を退散しました。

帰りの電車では何だかどっと疲れて気がつけば下車駅を過ぎ渋谷に。しかも改札を一旦出なければ乗り換えもできない…
あぁ、重なる時というのは重なるもの。
でもこのまま帰るのも癪なので、コールドストーンへ。
あまーいあまーいアイスクリームに身も心も癒され、
今度こそ無事に家路へとつきましたとさ。

教訓:思い込みは怪我のもと。出かける前にはきちんと下調べを。

福井でした。


2013年11月11日月曜日

平賀 敬 書に遊ぶ

今回は立石百景ではなく、私の実家の平賀敬美術館を宣伝させて頂きます。


場所は箱根湯本にあり、個人美術館で温泉付きというのはおそらくここだけで、亡き父、平賀敬も愛した源泉掛け流しの風呂がある築100年の館内には、彼の二十歳の頃の油彩画から絶筆まで40点ほど常設しています。






2年前から、父の命日に合わせて企画展を行っていますが、今回の企画は
[平賀 敬 書に遊ぶ]です。

亡くなる10年ほど前に大磯から箱根に移り住んだ父は、絵よりも書を多く残しました。
俳句、短歌、漢詩、書が好きな事もあって、観光地としては敬のエロチックな作品よりも、むしろ書や看板の字などを頼まれる機会が多く、おのずと書が増えて行きました。




書の道の心得は決して多くはない父ではありましたが、字統(字源字典)を彼からプレゼントされた時から、彼の書は書道家のものではなく、画家の書、絵だと思うようになりました。


ここで少々、添付のポスターにある書の解説をします。

●左上  夏爐冬扇(かろとうせん)
    夏の炉、冬のおうぎ=私のような、使い物にならないことを意味します。

●右上  柚子満載 四 t トラック横転す
    自作の俳句です。豪快さの中にも小さな黄色たちが弾け飛ぶ美しさがあります。

●右中  花火三千 行灯海月溺れけり
    自作の俳句です。あんどんクラゲは派手に光る行灯型のクラゲ。
    三千発の派手な花火に嫉妬したか、気圧されたか、さもなければ…
    クラゲは彼自身で、花火は遊郭の花魁か?

●下   自作の漢詩です。
    一日中飲んでいる酒飲みの事が書かれています。


何が書かれているのか、どういった意味なのかが分からないものでも、絵や書は充分に楽しめる世界だと思います。
お近くにお越しの際は、温泉のついでに敬の書と戯れて下されば幸いです。
           
                          講師  平賀 太郎 


※追伸
 京橋で平賀敬コレクションⅢという企画展があります。
 こちらも是非ともよろしくお願い致します。












2013年11月7日木曜日

競馬部発足☆


私はギャンブルには全く興味がありませんでしたが、




先日”競馬好き”の講師に連れられ、銀座校講師と事務局合わせて8名の有志と
大井競馬場のナイトレースに行って来ました。




おじさま方が昼間からワンカップのお酒を飲みながら、赤ペンもって、怒鳴っている、
という悪い印象しかなかった競馬。




東京モノレールの最寄りに降りたとたん馬小屋の独特な自然の匂いに故郷の宮崎を
思い出す。 地元延岡から宮崎市内に車で向かう途中でかいだ事のあるにおい(ローカルネタです、はい。)




そんな懐かしさ、、、、も感じながら、




いざ競馬場へ!!




クリスマスにはまだ早いがイルミネーションに心が踊りつつ歩いていると、

パドック(レースする前に出走する競走馬の下見が出来る所)へ到着。


『馬!!!』

見た瞬間に赤ペンを持って怒鳴っているおじさまの事なんてすっかり頭の中からいなくなってしまうくらい、感動してしまいました。
勇ましさと手入れされているので毛並みにつやがあり美しい。戦いに出る前の興奮。
とにかく一瞬で心奪われてしまいました。



そんな感動もそこそこに、コレから始まるレース予想が始まる。


競馬が初めての講師たちもいたので”競馬好きの講師”から予めデータの見方や馬券の買い方の御指導を受けていた私たちは、各々に予想して馬券を購入。




そしていよいよレース!!








勝負師たちの声援は次第に強くなり、




瞬く間に




『ゴーーール!』




やったーーーーー!当たった。当たった!




と他の講師に”自慢げ”に馬券を見せていると。





「落馬だよ。」





と冷静な講師陣。




何の事?!と私。



騎士が落馬して馬だけがゴールしていたのです、、、、、。
(失格になるのだとか)




興奮状態で騎士が乗ってない事すら気付かない私。





ガックリ。そしてはずかしい、、、、、、。






その後も、



2レースを勝負し試合終了。




結果、S先生が2勝もし、皆で喜びました。





何故かと申しますと、、、、、、、、




この後の飲み会の足しになるからです!^^!


「S先生ごちそうさまです!」




打ち上げは新橋の「鱈腹魚金」が選ばれ、おいしいおいしいごちそうを頂きました。





刺身盛り合わせ、のどグロの煮付け、あじのなめろう、カキフライなどなど。



お供は日本酒で乾杯。




競馬の事や仕事の事、”愛”についてまでも語り、




さいごにはワンカップの赤ペンを持ったおじさま方と余り変わらない私たちに、
親近感を覚えたのでした。




銀座校講師 日笠




































































2013年11月6日水曜日

第2回彩月会グループ展

銀座校の原田です。

小学館アカデミー絵画倶楽部に通われている会員様の中にはグループ展や個展をされている方々がいます。
入学当初は自分の作品を人に見せることが恥ずかしいと思っていた人たちも、毎週教室に通い、基礎を勉強するうちに感性や芸術観が芽生えてくるようです。
そんな会員様の作品展の中で「欲しいなあ」と思う作品に出会うこともしばしばです。

私が担当させていただいている月曜日Dクラスの会員様方のグループ展「彩月会グループ展」が開催中です。
昨年に続く2回目です。

今回もグループ展に向けて熱心に制作しました。
毎週教室での2時間を集中して制作、中には更にご自宅で時間を作って描かれた方もいます。

Dクラスはどの曜日も現役でお仕事をされている方が多いようです。
月曜日の会員様も同じです。
お仕事をされて疲れて帰ってきて、また絵を描くのはたいへんだろうなあと思います。
でもそれが「気分転換になる」という声もあったりして。
絵を描く目的は人それぞれ。
その人にとっていちばんいいことであれば、何が目的でもいいような気がします。

そんなそれぞれの中から出来上がった作品たち。
出世街道ギャラリーに展示中です。

並木通りの「渡邊版画舗」と「俺のイタリアン」の間に人がひとり通れるくらいの小路があります。
その小路を入って右側にあるのが「出世街道ギャラリー」です。
「俺のイタリアン」に入るために並ぶ人の列で小路を見過ごしてしまうことがありますのでご注意を!
今週11月9日(土)までの開催となります。
ぜひご覧ください。

出世街道ギャラリー銀座わたなべ
中央区銀座8-6-19 渡邊木版美術画舗
03-3571-4684


2013年11月5日火曜日

水彩画実演の話①



小学館アカデミー絵画倶楽部では、授業中に会員さんの前で講師が絵の描き始めから終わりまでを実演して、作品が出来上がってゆく、その瞬間を見て頂いております。

実演なので、講師たちは説明をしつつ、筆を運び、一気呵成に仕上げてゆくことになります。いわゆる、ライブです。

会員さんたちの反応や質問が、私は講師として、とても楽しいです。

また同時に、初見で実演をするとき等には「うまく表現できなかったらどうしよう」と緊張したりもします。



ひと月ほど前に、東京駅周辺スケッチ会のための予行練習課題が各々のクラスでカリキュラムとして組まれていました。この課題は「沢山の写真の中から好きな1枚を選び、構図を決めて描く」というものでした。

このような課題の場合、講師は初見で会員さん毎に実演をする状況が多くなります。

完成イメージを強く持って描かないと中途半端になってしまうので、心して取り組みます。

これは実演した中の1枚です。まあまあ、上手くゆきました。




     F4サイズ 鉛筆、水彩




今回は馬場俊光が担当させて頂きました。



2013年11月4日月曜日

展示のススメ

前回の土屋先生のブログで登場していた暗くて怪しい場所の答え
          ☞今回行っていた中田の展示会場でした!


お忙しい中足を運んでくださった皆様、ありがとうございました!


やっと搬出も終了し、どっと疲れが出ております。

私の作品は和紙を挟み表と裏から版画で両面刷るという制作方法です。
今回の展示では一つの作品の表と裏を両方お見せするという展示をしました。その展示方法として、沢山の方から貴重なご意見を色々頂きました。

    
詳細については説明が困難なため割愛させて頂きますが、どれもこれもなるほど!と思うことばかりで大変勉強になりました。








制作中はほぼ自分と作品の間の関係だった物が展示した途端急に見知らぬ物にみえ、よそよそしくなってしまったような感覚をおぼえたりします。でもそこで客観的に自分のやってきた事を確認しているのです。(ここが一番大事!)
色々な方が見に来られますので、自分の意図した事とは違う解釈をされてびっくりすることもありますが、それもまた作品が展示空間でちゃんと呼吸している気がして面白いです。


皆さんもグループ展に個展等、ご活躍されている事と思いますが、まだ展示をした事のない方はとりあえずやってみる!ことをお勧めします。
でもそれは必ずギャラリ―を借りてということではなく、まだ自信のない方は、例えば作品を額に入れて自分の家に展示してみるということだけでもいいと思います!それだけでも作品に対する見え方が違ってきて次に繋がると思います。

是非是非やってみてください!






中田有華












2013年10月31日木曜日

ぼくの おでかけ

   きょう ぼくは ママに つれられて
だいすきな でんしゃにのり 
がやがや にぎやかな まちにきた。

ひとがおおい おみせにはいり
すわらされ
ママと おともだちの
じゅんちゃんのおしゃべりに
みみをかたむける。
ママだけ おいしそうな のみものを
のんでて ずるい。
のみたい!と アピールしてみた。
すこしだけ ぼくにくれた。



 あきあきしてきたころ、
ぼくたち さんにんは 
また にぎやかな まちを
あるきはじめた。


いっしょうけんめい あるいていると
こうじげんば はっけん!!
きりんみたいに くびがながい
この のりもの!
かっこいいんだよな〜!!
もうちょっと みていたいのに
ママは 『いくよ〜』って
せかす。。
こうじのひとに てをふって
ママをおいかける。




なんだか ちいさなビルにつき
すこしくらい かいだんをおりる。なんか こわい。。
ここがママが きたかった
ところなのかな。。


くらくて こわいけど。。
なんだろう!!
かわいい いろのものが
かべにかかってる!!


ママは ぼくに かまわず
その ふしぎなものをみてる。。



しばらくすると
『どれが すき?』ときいてきた。
みまわしてみて ひとつ ゆびさした。

『それ、ステキだもんね!』
と、ママ。




でも、ほんとは こっちの
あったかい、おいしそうなほうが
ぼく すきなんだ!!






なんだか  くらい いりぐちと
ちがって  あったかいきもちになる
ばしょだった。

かえりに チョコをもらって
もっと いいきもちになって
そこを でた。


あ!また かえりに
こうじげんばの きりんを
みてから かーえろっと!!

yuka nakada exhibition 2013 10/28 〜11/3



         銀座校講師  土屋