2013年5月31日金曜日

作品展の裏側

 皆様こんにちは。銀座校講師の福井です。
関東も梅雨入りしてじめじめとした日が始まりましたが、
いかがお過ごしでしょうか?

 さて、6月といえば今年もやって参りました、作品展です。
制作もそろそろ終わりが見えてきて、やれやれとほっと一息ついた方も多いのではないかと思います。

 そして我々はというと、実はこれからが一番大変な時期なのです。
クラス展や個展をやったことがある方には分かっていただけるかと思うのですが、
作品の搬入や、額装、飾りつけなどの作業があるのです。
今年も500点を超える作品が集まっており、講師全員で作業にあたる予定です。

 今年も昨年に引き続き、南先生と土屋先生と私の3人で作品展の係を担当させて頂いております。全体の流れや、準備の段取り、こまごまとした事務作業など色々やっています。
普段皆様にあまりお伝えできない、作品展のバックヤードを一部をご紹介したいと思います。

これ、見覚えありますか? 作品の上に貼ってある展示パネルです。
           土屋先生が制作してくださっています。

額装テープの下準備。作品を固定するシールです。使いやすいように三角に折り曲げてあります。講師の皆に協力して頂くのですが、こういう事務作業が好きな講師とそうでない講師に分かれるようです。血液型と性格は関係ないと思いつつも、不思議とA型さんがやっている光景を良く見ます。(そうじゃなかったらごめんなさい・・・)

 そして奥にあるのは目印の為の学年カラーです。皆さんの額の箱に貼らせていただいています。学年がたくさんになってきていて、毎年新しい色テープを求めて奔走しています。

搬入の様子や展示作業の様子も書きたかったのですが、そちらはその頃のブログ担当の先生におまかせしますね。


 少しですが、作品展のバックヤードも楽しんで頂けたでしょうか?
こういう準備をしていると、学生の頃の文化祭を思い出します。
大変だと思う作業も、良い作品展が出来ることを思えば、何だか楽しくなってくるから不思議です。
今年も沢山の力作を見られるのを楽しみにして、もうひと頑張りしたいと思います。









2013年5月29日水曜日

立石百景(葛飾立石)その4 〔 宙(そら)〕


7年前、私が京成立石に住み始めた初日に知り合った友人が、立石仲見世商店街に
飲み屋を出店して4年目になる。


3坪ほどの店の正面には入口のドアが無く、冬場は黒い布と透明ビニールで囲い、
夏はむき出しで、カウンターに5人、テーブルに3~4人座れるオープンカフェスタイル。
何度か閉店の片付けを手伝ったが、外に出すテーブルや椅子を、パズルゲーム、テトリスのように
見事に狭小スペースに納めてからシャッターを閉める技術に、毎度感心させられる。




針穴からでも世界は見える。


店はその場から動かないが、入れ代わり立ち代わり訪れる客たちには、それぞれドラマがあり、
その人々を観察しているだけで、毎日いても宇宙的にネタが切れない。
客層が、性別、年齢、職業の様々なこの店なら尚のこと。
そのような意味で、店名を、宙(そら)と名付けたのかは未確認だが。

左手ひょうたん製チョウチンの店、宙(そら)
※酔眼のため、ピンぼけ失礼
店というのは、単なる囲いの箱。外側へと無限大に広がるドラマが創られていく宙は、
画面を支配する絵にも似ている。


が、今回絵にするのは、店、客ではなく、様々な客を強力な引力で支配する、
女主人のMさん。


Mさんには面白いエピソードが山ほどあり、人となりを紹介するときりが無いので、
ここでは、どうしてもやめてもらいたい癖を書かせてもらう。

割もののアルコールは濃く作らないでもらいたい。
ウーロンハイのウーロンが、1㎝しか入る容量が残されていないではないか。
茶色ではなく、無色透明ではないか。
「薄くしてほしい」と言っても、本人は笑いながらドボドボとアルコールを注ぐ…
ので、端から次々に客が倒れてゆく。もしくは避難をする。




エスキース(1段階目)

もっとも、アルコールが強い分、客たちの持つドラマがむき出しとなって、
また一枚、絵になりそうなスケッチが描けるのだけど。


                        講師   平賀 太郎






2013年5月27日月曜日

絵を描く喜び

銀座校講師の日笠です。



私は講師のほかにもイラストレーターとして活動しています。




イラストの媒体は雑誌の挿絵、本の装丁、CDジャケットなど様々ですが、



今回面白いお仕事をしたのでご紹介します。






デパート、百貨店に入ってるファッションブランドのディスプレイのお仕事です。




こちらは横浜高島屋に展示されているイラストです。べニア板にイラストが貼られています。等身大なのでなかなか迫力があります。もともとはA4の大きさで描いています。










こちらはレインコートなどの防水加工を表したロゴマークです。ブランドのロゴも手描きでほのぼのしています。




そしてこちらも新宿伊勢丹3Fに展示中で、雨具がイラストになっています。


そのほかもいろいろ描きましたが、都内のほか
、名古屋、大阪、博多のデパートにも展示されているようです。



イラストの仕事はいろいろ規制があったり大変なのですが、依頼人のイメージするものにはまって完成し形になったときに何とも言えない”喜び”があります。達成感でしょうか。




この”喜び”は絵を描く上で大事な要素だと思います。


絵画とは違う感覚かもしれませんが・・・


人に評価されたときの喜び、自分のイメージ通りに描けたときの喜び、作品制作でうんと悩んで完成したときの喜び、様々でしょう。



皆さんのペースで絵の楽しさを追求して頂けたら幸いです。

”喜び”を一緒にお手伝いしていこうと思います。












2013年5月25日土曜日

クラーク・コレクション


銀座校の原田です。

三菱一号館美術館でクラーク・コレクションを観た。
クラークさんという人のことはよく知らなかったが、ミシン会社設立者の孫らしい。

クラーク夫妻が集めた所蔵品は印象派の傑作が多い。
中でもルノワールの描く女性の肌のみずみずしさにはびっくりした。
クラッシックな写実ではないが描かれた人物が目の前にいるかのような生々しさがある。
ルノワールは性格がよい人だったと誰かから聞いたことがある。
その画面からは人に対する愛情が伝わってくるようだった。

ミレー、ピサロ、マネ、モネ、いろいろあったが中でもドガは異質だった。
大胆にぽかっと広い空間を空けた構図。
勇気があるなあと思う。
なかなかあんな風には空けられない。
その構図の大胆さは当時の中でもきっと珍しかったことだろう。
日本の浮世絵の構図から着想したらしい。
なるほど浮世絵にはぽかっと空間の空いた作品がたくさんある。
北斎、広重などの名所絵(風景画)にもよく見られるスタイルだ。

ドガは密かに実験的なことを繰り返し、アトリエの中はあまり人に見せなかったらしい。
ひとり実験を試み、新しい技法を発見し、ほくそ笑むドガの姿を想像した。


2013年5月23日木曜日

街頭インタビューの話



4月の後半に銀座の時計台付近で待ち合わせをしていた時の話です。

私は半年に一回位のペースで、美大のアトリエで制作を共にした仲間との食事会を企画しています。

その日、待ち合わせ時間よりも少し早く銀座に着いた私は、時間を潰すために近くの本屋に立ち寄り、ほどほどのところで集合場所に向かいました。

交差点で信号待ちをしていると、突然横から「○○(某有名テレビ番組)の者ですが、今、銀座でGWの過ごし方をインタビューしているんですけど、よろしいですかー?」と女性のインタビュアーがハンディカムをこちらに向けてくるではありませんか。

「よろしいですかー?」もなにも既にRECの赤ランプは点いており、録画されているのです。私は動揺して「えっ?えーっと、特に決めていませんけれど、、、」などと要領を得ない間の抜けた返しをすると、「あー、やはりお仕事が忙しくてお休みが取れないのですか?」と質問が続き、私もよせばいいのに「あーとっ、私は絵を描く仕事をしていてGW中も制作の予定があって、なかなか時間が作れなくって」と、つい本当のことを言ってしまい、適当な嘘をついてあしらっておけばよかったと後悔しました。

インタビュアーも予想外の絵描き発言を受けて「絵を描かれているんですか、すごーい!」なんて、いかにも取って付けた様な感想を言い始めて、明らかに動揺しています。おまえは動揺するんじゃないよ、と思いましたが、まさか質問した相手が絵描きとは思わないでしょうから、心中は察します。

結局、変な空気のまま終了して、私は悔いだけが残り、その食事会で早速、愚痴りました。
あんなインタビューは使われるわけなく、お蔵入りでしょう。


今回は馬場俊光が担当させて頂きました。


2013年5月22日水曜日

鑑賞報告

先日、藤沢の蔵まえギャラリーとゆうところでやられていた、『ワンダーな般若心経展』とゆう展示を見に行っていきました。(もう終わってしまっている展示で申し訳ありませんが・・)これがすごく面白かったんですよ!

ひとまずご覧ください。









                      





ボールペンで緻密に書いた作品。






この男性、何をしているかわかりますか?



はい、そうです将棋です。個人的に右肩と左肩のラインがとても好きです。
渋い表情がたまりませんね〜。

 

この作者さん達は皆さん違う方で、それぞれに知的障害を抱えている方達だそうです。
フェースofワンダーという団体で東京、神奈川を拠点に活動しています。







そして我が家からけっこう近い所で活動されていたので、後日遊びにいってみました!

その時、一番上のカエルを描いた男性が私をモデルにして描いてくれました!

ものすごい速さで(笑)



すごく似ています。
講師中田がお届けしました。




2013年5月19日日曜日

朝の散歩



今回の担当は銀座校講師、土屋です。
新緑の美しい大好きな五月。
清々しい空気の中、絵の題材を探しながら 朝の散歩をするのが
最近の日課になっています。






庭先で今を盛りに咲き誇っている薔薇、高貴な佇まいの牡丹、思わず見惚れてしまう菖蒲、そして幼少の頃よく蜜をすったサツキ。
緑も花たちも瑞々しく見える朝、散歩をしながら題材探しをしています。






花を見つける前に
ジャスミンが近くで咲いているのが
分かるくらいの香しいかおり


そしてそして、もうひとつ散歩を朝する理由。。。最近興味を持ちだした長男を連れての電車見学です!!
朝の日暮里駅の陸橋からは ラッシュアワーで電車の本数が多く、いろいろな種類の電車が見ることができるからです。


はやぶさとE6系こまちの連結!!




正面からこちらに向かってくる電車の迫力たるや 初めて見学したときは興奮してしまいました。
在来線は もちろん、新幹線の種類の多いこと!!硬くなった脳には 全く入ってきてくれません。。
それでも先輩の鉄ママに教えを請いながら見学しています。

北斗星にかじりつく!


初めて触れる電車の世界、奥が深すぎて今後、私の頭の中はどうなっていくのか。。
不安でもあり、楽しみでもあります。

一本しか走っていない
50th記念 山手線







2013年5月17日金曜日

二足のわらじ

銀座校講師の田巻奈菜です。

大学で専攻した素材が金属だった私は、金槌やヤスリ、火などを使って
制作をします。

金属は金・銀・銅・真鍮など素材が持つ色が決まっています。
絵の具のように混ぜて、オリジナルの色味を作るということはできません。

ヤスリで削り、炭で研ぎ、着色、蜜蝋を塗る・・という数々の制作行程がおっくうになる事も多々。
そんな時は水彩絵の具のシンプルさ、カラフルさ、瑞々しさが恋しくなります。

銀座の教室で描く絵も、自作の花入れやカトラリーも
同じように美しい線として空間に表すことが出来たらなと考えておるこの頃です。

この二足のわらじ、ようやっと足に馴染んできたのでしょうか。

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現在、新宿伊勢丹5Fでの企画に参加させて頂いています。
夏向きの器、気軽に楽しむお茶にご興味ある方はぜひ、お出掛け下さい。
【茶の事】  〜5/28(火)まで / 10:30〜20:00
 



銀製の菓子切り、出品しています

2013年5月15日水曜日

ターナーを模写する


講師のすずきくみこです。
折に触れ、先代たちの作品の模写をします。

その技術や筆遣いを真似てみるのは
好きなアイドルの振り真似をするのとちょっと似ています。

憧れの作家に少しでも近づきたい!!


水彩画の模写に選んだのはターナーの作品。
ターナー1775-1851)といえばイギリスの巨匠ですね。

テートギャラリーの公式サイトhttp://www.tate.org.uk/では
ターナーのスケッチ画を多数見ることができます。
それはそれは素晴らしいスケッチ画の数々です。
(サイト内のArt&artistsでWilliam Turnerで検索してみてください)



にじませたり、ぬぐったり


描いてみてわかったこと。



写真機のない当時
写実的に景色を写し取るのが当然であった時代に
ターナーは自分の目を通した景色を描いています。
そこがすごい。
大気の色は圧倒的です。


もちろんテクニックもすごい。
模写をしてみてあらためて
なおしの効く油彩画と違って
水彩画はテクニックを知らないと描けないなぁと思いました。







完成! 
J.M.W.ターナー作《ルツェルン湖の月明かり、彼方にリギ山を望む》の模写



2013年秋に東京都美術館でターナーの大回顧展があるようです!
見逃せませんっっ


2013年5月13日月曜日

水族館


銀座校下工垣です

作品展の制作期間の今、クラスで、ペンギンの絵を描いている方がいます。

今まで、私はペンギンに全く興味が無かったのですが、
モチーフの写真を見せて頂いたら、あまりにもかわいくて
本物のペンギンが見てみたくなってしまいました。
そして、先日、水族館に行ってみました。



水族館にも今まで全然興味がなく、
行ってみようと思った事は無かったので、人生初の水族館でした。


ペンギンが目的で行ったのですが、
行ってみると、水槽の中の魚の美しさにびっくりしました。
ペンギンもとってもかわいかったです。




今回は水族館でしたが、それ以外でもアカデミーに来てから、
いろんな世界に興味を持てるようになりました。
クラスの方々から今まで知らなかった事を沢山教えて頂くからです。

私は旅行にも今までほとんど行く事が無かったのですが、
授業の休憩中に、旅行の思い出話を聞いたり
色々な国の写真を見せて頂いたりする様になって
私も旅行がしてみたいなあと思うようになりました。
そして最近は時間が出来ると、ふらりと行ったりしています。

それ以外でも、お花の名前や、色々な料理の作り方や、他にも
沢山の事を教えて頂いていて、
絵の授業をしているはずが、知らない世界の事を教えてもらう事が沢山です。


今まで絵を描く事ばかりしてきましたが
絵を描くことで、いろいろな方と知り合え、
今まで興味の無かったものや、
知らなかった世界を知れるようになり、とっても楽しく有り難いなあと思っています。

2013年5月11日土曜日

その瞬間を待つ

銀座校講師の坂田です。


東京国立近代美術館は私の大好きな美術館の一つ。
地味ですがとても良い展示をしています。
常設も工夫されていてとても興味深い。


ベーコンはイギリスで結構見てたつもりだったけど
今回は大きい作品がたくさん来ていて見応えありました。
揺るぎないストロークがすばらしく、
同じ太さの筆をすぐにでも買いに行きたくなりました 笑。



制作する時に「偶然を待つんだ」
と言ってた彼の言葉が印象的です。

無意識に描ける瞬間を待つ。


自分と同じ感覚かも!と勝手にうれしくなったりして。




それから今週みたウツクシイもの。
山椒薔薇が花盛り。

山椒薔薇に集まるハチ達のうれしそうな動き、輝く光、風。

私にとってのウツクシさとはその見た目よりもその周りの息づかいのようです。

2013年5月9日木曜日

中央高速

こんにちは。
銀座校・恵比寿校講師の工藤です。

連休を利用し、妻の実家がある新潟に行ってきました。
車で行く時はいつも関越道か中央道かで迷うのですが、今回は中央道を使いました。

天気もよく、長野に差しかかった辺りからの景色がとてもきれいでした。

遠くの南アルプスや八ヶ岳にはまだ雪が残り、近くの山はちょうど山桜が満開でした。
そんな景色を見ながらの運転はとても気持ちが良かったです。

この時期にしか見れない風景だけに今回は中央道を選んで、大正解でした。


しかも、行きも帰りをうまいこと渋滞に巻き込まれずにすみました☆









2013年5月8日水曜日

優雅に

 宇都宮校、小栗です。

連休・・・主婦には仕事が増える日でもあります(苦笑)

しかも 今回は子供の学校もあって遠出も出来ません。


そこで、ふとひらめいたのが・・・

毎年、ゴールデンウィークに咲くボタン。

いつも、子供にせがまれて休みとなると出かけてばかりで

ボタンが咲いているのを横目で確認しながらも、

遊び帰ると あっと言う間に花がしぼんでしまっていて

スケッチができない花でしたが

それを「今回は思い切って部屋で描いてみよう!!」 と思い立ちました。



なかなか高そうな花(笑)なので 毎年、切るのも惜しく

自然のままに咲かせておいたほうがいいかなと思っていたのですが・・・

今回初めて、5本咲いたなかの 

(それでも気が引けるのか)小さな1本をとってきました。



花びらが 柔らかいせいか、室内でもすぐにしおれそうなので

短時間で描くように 色鉛筆でデッサンしてみました。

花びらの動きが美しい〜

華やかなモチーフは、気分も華やいだ気持ちにしてくれました。

2013年5月7日火曜日

失敗は成功の元



先日とある大失敗をやらかしてしまった。
やはり当然落ち込む。
失敗というものは誰にでも経験のあることだと思いますが、
肝心なのは、失敗した後である、ということに身近な尊敬する
方の助言でハッと気がついた。

また、そのように落ち込んでいる時は自分だけが辛い、苦しいと
自己中心的になってしまいがちだが、それではいけない。


偉業を成し遂げた人たちはみな、失敗を成功の鍵として
前向きに捉え、くじけずに日々の努力をコツコツと重ねて成功している。

絵画においても同じことが言えるのではないだろうか。
試行錯誤をして何度も何度もエスキースをしたり、うまくいくと
思った作品もイメージと違ってしまい、最初から描き直したり。。。

描けない、できない、と嘆き悲しみ苦しむことはいつでもできる。
とにかく、失敗しても何でもやってみる価値はある。
その失敗という経験は決して不毛なものではないと信じたい。

もしかしたら失敗というものは何かを成し遂げる為の一番の
近道なのかもしれない。


                         銀座校 植松






2013年5月6日月曜日

アイストップ

視線を受けとめてくれるものを、空間計画ではアイストップと呼ぶらしい。

視線の先に意識的に置かれたもの。
例えば、公園の動線上に配された噴水や、ビルの上の装飾。ヨーロッパでは、放射線状に伸びた通りのよきところに凱旋門が立っている。日本庭園の石灯籠や石塔も同じような役割を果たすとか。

屋内でも使う言葉だ。
 ただいま、と玄関に立った時、何かが視線を受けとめてくれると、落ち着く。それはチェストに置いた観葉植物であったり、壁の絵であったり。視線がふと留まるところ-アイストップ-を得ると、人はほっとするようである。

そういえば家に帰った時、無人の部屋でもただいま、と言いたくなる場所がいくつかある。
人以外の目鼻立ちのあるもの(想像して下さい)にも帰宅の挨拶をするけれど、洗面所の鏡の前でもただいまと言いたくなる。
 これはまあ、ちょっと寂しい感じもしますが。

上りの新幹線の窓からこれが見えると帰って来たなあと思う



絵を描く身でありながら、「なぜ壁に絵を飾るのか」ということを考えたことがなかった。
 「なぜ絵を描くのか」という命題さえ概ね無意識の内にある。


宗教画のように、視線はもちろん鑑賞者の心の内を受けとめることを役割として生まれた絵がある。
ラファエロ展で観た聖母子像や肖像画の中には、視線をこちらに投げかけているものが少なくなかった。どれも端正でありながら冷たさがなく、美しい。これらの絵に室内で迎えられたら、と想像してみる。


聖地、というのとは違っても、誰にとっても、個人的な場所、というものがある。

近頃は絵などの代わりに、視線の先の壁に窓を穿つこともあるらしい。ともあれ意識的に配された「もの」が、最も個人的なスペース「家にいる」安心感を作り出す。
この絵も描き手以外の視線を受けとめることになるんだろうか。 描き上げた絵の前で、そんなことを考える。




『卯月』

銀座校講師 五十棲さやか

Raffaello ラファエロ 2013年3月2日-6月2日 国立西洋美術館http://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/raffaello2013.html 

2013年5月5日日曜日

フランシス・ベーコン展

おはようございます。

宇都宮校講師渡辺です。

みなさまGWいかがお過ごしですか?

とは言いましても、授業は今日からスタート!

会員のみなさまお間違えのないよう気を付けてくださいね。



昨日、国立近代美術館へ【フランシス・ベーコン展】を友人と観に行きました。

大学時代から大好きな画家であり、

学生時代から今現在まで部屋の壁にベーコンの絵の印刷物を貼ってある位ですから

観る前から興奮してアドレナリンの分泌量は大変なものでした。

帰りには、

会うのが6年振りの友人とその娘さんと夕飯を食べ

ヒューマンデザインまでしてもらい

楽しく充実した一日でした。



明日からいよいよ宇都宮校で新しいクラス月曜日のBクラスがスタートします。

よろしくお願い致します。




2013年5月1日水曜日

第12回 小学館アカデミー絵画倶楽部作品展のご案内

皆様こんにちは。
事務局の但木と申します。
今回は、絵画倶楽部の作品展のご紹介をさせていただきます。

小学館アカデミー絵画倶楽部では、毎年6月に会員様の作品展を開催しており、
おかげさまをもちまして、今年で第12回目を迎える運びとなりました。

絵画倶楽部は、「学んでみたい」と集まった方々のほとんどが初心者から
絵を始められています。

皆様「鉛筆の削り方・持ち方」という基礎中の基礎から始め、
絵画に関する「知識」と「技術」を積み重ねることで、絵の描き方を学んでいきます。

今回の作品展では、始められて半年の方から10年以上の方まで、
幅広い学年の会員様の秀作約550名が展示され、
画材もデッサン・水彩画・アクリル画・パステル画・油彩画・コラージュなど
バラエティに富んでおります。

観覧は無料ですので、ぜひお気軽にお立ち寄りいただき、
ご高覧いただけますと幸いです。

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 第12回 小学館アカデミー絵画倶楽部作品展
                                   
 【会期】2013年6月13日(木)~16日(日)                
                                                                                                
 【開催時間】AM11:00~PM6:30(最終日はPM4:00まで)         
                      
 【会場】東京セントラル美術館                                        
     (東京都中央区銀座2-7-18 銀座貿易ビル5F)          
                                                                                                                

【地図】

【交通案内】
東京メトロ
 有楽町線 銀座一丁目駅 9番出口より徒歩約1分
 銀座線/日比谷線 銀座駅 A13番出口より徒歩約3分
 丸の内線 銀座駅 C8出口より徒歩約5分
JR
 有楽町駅 中央口より徒歩約7分 


    






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昨年の作品展の様子の動画です。
ご覧ください!