タイトルを見ているだけで肩が凝ってしまいそうですが、その心配はいりません。
私が美大で絵画を学んでいたときの話です。
学部2年次の頃、フォトリアリズム(写真のように描く手法のこと)を研究していました。この技法で作品を表現するためには、誰が手がけたとしてもかなりの制作時間が必要です。
締切りが迫ってきた課題を朝から晩まで描き続ける生活を送る私。
そんなある日のこと。
集中力が切れたので少し休もうと、アトリエを出たところにある、風景を眺望できる階段に腰を下ろして風にあたっていました。この階段のある建物には大きな軒があり、雨と直射日光を遮ってくれます。しかし、それが故に学生たちは画材、掃除用具などをアトリエと階段の連絡路に置き散らかしていました。全く、目を背けたくなるようなだらしの無い有様です。
私はそんな酷い光景を視界に入れたくなかったことと、目の疲れが酷かったこともあり、暫くの間、俯いて目を閉じ回復を待ちます。
安静にしていた甲斐あって、頭の靄が晴れるように気分がすっきりしてきたので、目をあけボンヤリ階段を眺めていると、なんと、足元に置かれてあった茶色いモップがズルズルッと動いたのです。
ギョッとして足を跳ね上げ、ステップを踏んで立ち上がります。
よく見たら猫でした。
どうやら目を瞑っている間に足元に擦り寄ってきていたようです。
私は驚きましたが、猫も相当ショックだったでしょう。かわいそうに、すごい勢いで逃げていってしまいました。(猫さんごめんね)
「モップが動いた」と思ってしまうその心境。
完全にイカレています。
…疲れているときは、さっさと家に帰って休むのが賢明です。
今回は馬場俊光が担当させて頂きました。
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