2013年5月25日土曜日

クラーク・コレクション


銀座校の原田です。

三菱一号館美術館でクラーク・コレクションを観た。
クラークさんという人のことはよく知らなかったが、ミシン会社設立者の孫らしい。

クラーク夫妻が集めた所蔵品は印象派の傑作が多い。
中でもルノワールの描く女性の肌のみずみずしさにはびっくりした。
クラッシックな写実ではないが描かれた人物が目の前にいるかのような生々しさがある。
ルノワールは性格がよい人だったと誰かから聞いたことがある。
その画面からは人に対する愛情が伝わってくるようだった。

ミレー、ピサロ、マネ、モネ、いろいろあったが中でもドガは異質だった。
大胆にぽかっと広い空間を空けた構図。
勇気があるなあと思う。
なかなかあんな風には空けられない。
その構図の大胆さは当時の中でもきっと珍しかったことだろう。
日本の浮世絵の構図から着想したらしい。
なるほど浮世絵にはぽかっと空間の空いた作品がたくさんある。
北斎、広重などの名所絵(風景画)にもよく見られるスタイルだ。

ドガは密かに実験的なことを繰り返し、アトリエの中はあまり人に見せなかったらしい。
ひとり実験を試み、新しい技法を発見し、ほくそ笑むドガの姿を想像した。


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