制作道具が必要になったとき、私の足の向かう先は画材屋ではなく、ホームセンターの資材売り場です。
ちょっぴり特殊なものを扱って制作するため数ヶ月に一度訪れるのですが、半年前に、画材を買うついでに、汚れた作業服を買い換えようと商品を吟味していました。
すると突然、横から活発な口調で「あんちゃん、このメーカーのツナギは耐久力あって現場でも長持ちするぞ」「こっちのやつは、すぐ穴が空いてどうしようもねえんだ」などと誰かが話しかけてきます。
声のする方を見ると、恐らく、土木建築業に携わっているであろう40代位の男がこちらに笑いかけながら、目当ての商品のサイズを選んでいました。
私はまさか作業服のことで声を掛けられるとは思いもしなかったので、面食らい「あ、そうなんですか、どうも」と間の抜けた返事をしました。
男は私の曖昧な受け答えを流し、さっさと商品を選び終えるなり「じゃ、仕事頑張れよ」と言ってスタスタと、人でごった返すレジの方へ消えてゆきます。
多分、同業者だと思い、親切心でアドバイスしてくれたのでしょう。
今、その作業服を着て制作していますが、汚れは落ちやすく、なかなかに丈夫です。
あの時のおっさんよ、ありがとう。
今回は馬場俊光が担当させて頂きました。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。