銀座校講師、南です。
教室までの通勤の時間、私はいつも本を読んでいます。
読み出すと頭の中で映像化され大概止まりません。
今読んでいる本のタイトルは『浅草の灯』。
大正末期から昭和初期頃の浅草を舞台に描かれた風俗小説です。
ご年配の方はご存知かもしれません。
1937年と1956年、1964年の三度、映画化されました。
1作目は主演が上原謙と高峰三枝子。3作目は二谷英昭、吉永小百合(!)。
実はこの小説、義曾祖父(ややこしい)が書いた小説とのこと。
先日、妻から「読んでみる?」と渡されました。
この時代にある種の憧れを抱いている私は早速その世界に入り込んでみることに。
当時の浅草六区を中心に凌雲閣、花屋敷、演劇小屋、私娼窟、酒場、的屋等、そして役者、コーラスガール、画家、文士、ペラゴロ、ヤクザ等々…舞台や登場人物に当時のアサクサ文化が色濃く出没していて、以前根津に住み、浅草辺りまでそぞろ歩いた私の脳内で活劇が始まるのでした。
さて。
絵の題材について。
お悩みの方も多いことでしょう。
私は本を読んでいて着想を得ることが多いです。
いつもアンテナを張り、日常から絵の栄養となるものを探していますが、様々な摂取の方法の中から今まで多くの恩恵を受けてきたのが、本の海を彷徨うこと。
文字は読み手によってイメージが千差万別に広がります。
そこから生まれたアイディア(種)を少しずつ育てていくのです。
読んだ本から思い浮かべた世界観に近い題材を探す、というのも一つの方法だと思います。
…今日もイメージの中を漂い、下りる駅を乗り過ごしてしまいました…。
ちなみに妻はこの小説があまり面白くなかった、と。
私は割と好きな世界なのだけれどな…。
浅草の灯
映画『浅草の灯』の1シーン
簡単に昔の映像が見られるなんて便利な時代になったものです
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