先日、秋葉原のアーツ千代田3331で「竹谷隆之の仕事展」を観てきた。
竹谷隆之は映画や玩具、フィギュアなどの様々な領域で活躍している造形家です。
僕が初めて竹谷作品を観たのは1991年、大好きな模型雑誌「ホビージャパン」誌上。
「ガイバー」というSFマンガのキャラクターを自分なりの解釈でリデザインし、立体化した作品だった。
オリジナルデザインと違い、筋肉組織がむき出しになっていたり、小動物などの実際の骨をパーツとして流用していたり、気持ち悪いんだけどその造形の独自性にびっくりした。
本物の骨を使用することについて「大自然の造形には勝てない」と製作記事の中で言っていたのが印象的だった。
確かに絵を描いていても自然が生み出す植物や風景の色にはかなわないなあと思う時が度々ある。
その後もホビージャパン誌や映画、ガレージキット、食玩のおまけ、アクション・フィギュアなどいろんなところで竹谷作品を観てきた。
生物の有機的な造形を得意とするので、中でも石ノ森章太郎が生み出したキャラクターは竹谷作品にするにはぴったりだったのかもしれない。
仮面ライダー、キカイダー、ハカイダー、イナズマン、アクマイザー3などたくさんの石ノ森作品のキャラクターを竹谷アレンジで発表してきた。
展覧会場には大きなディオラマや原型が、また製品化されたものをリペイントしたり、得意な骨や剥製と組み合わせてヴィネットにしたものが展示されていた。
粘土や樹脂だとは思えない匂いまでしてきそうなリアルさ。
厳しい観察と、それを造形したり塗装したりするテクニックに、会場の僕を含むオタクの人たちも作品にくぎ付けだった。
中でも制作の過程を撮った映像がおもしろかった。
立体物なので全体的に作っていくのかな?と思っていたら鏡状のステンレス板に粘土を張り付けて
左半分だけ作っていく。
鏡面に映すことにより疑似的に左右のバランスを調整するらしい。
全体を造形し、両面を整えていくのは、神経を使いたいへんで余計に時間もかかるとのこと。
左半分が出来上がったら、粘土を硬化させて右半分を作っていく。
今までの経験から編みだしたであろうその工程の工夫が職人的でおもしろいなあ思った。
これからもどんな造形でびっくりさせてくれるのか楽しみです。
これは食玩のおまけ(10cm)ハカイダー
展覧会場にあったスタチュー(60cmくらい)
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