2013年7月12日金曜日

博士の庭の夏




暑い日が続いていますね。


道を歩く時も、つい日陰を探してしまいます。


そんな訳で、木陰で一息つこうかと牧野博士のお庭にまた行ってきました。

以前もご紹介しましたが、植物学者の牧野富太郎博士のお庭が、整備されて一般公開されています。  (牧野博士は1862年生まれ 高知県出身で、日本の植物学の父といわれている方だそうです)


梅雨入り前の若々しかった葉は、どうやら立派に成長しているようで、庭の緑の色合いがぐっと濃くなったように感じます。


ムクノキ。


アスファルトの照り返しから解放され、ほっとしたのも束の間、藪に潜んでいた蚊に追い回されて早々に併設されている展示室に逃げ込みました。


こぢんまりとした建物の中に、博士の研究道具などが展示されている常設展示室と企画展示室があり、今は博士とその影響を受けた方々の描いた植物図の原画が展示されています。

常設展示室。

採集道具。


博士は研究者みずから植物を描くことの重要性を説いていたそうですが、その絵の素晴らしいこと。

植物図というと図鑑などにある、正確だけれどもどこかかたい絵、という印象がありましたが、博士の描いた植物は、その葉や花の厚みと柔らかさ、手ざわりまで感じられるようです。

和紙に毛筆で描かれた線は、勢いがあり、繊細で簡潔、迷いがありません。

さらっと描かれたものから、みっちりと描き込まれたものまで、密度に差はありますが、深い深い観察と知識だけでなく、植物に対する親しみ、距離の近さが絵から伝わってきます。


庭の植物の観察に熱中するあまり、2日間その場を動かなかった、との逸話が残る博士とその庭ですが、7月は博士が命名したウバユリとキツネノカミソリの花が見られるそうです。

不思議な名前の植物だなと思っていたので、今度は虫除けスプレーをして、見に行こうと思っています。





銀座・恵比寿校講師 吉澤









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