2014年9月29日月曜日

あと何枚

これまでに描いた絵の枚数はどのくらいなのだろう。

親元で、納戸に入れっ放しになっている絵を片付け始めた。
学生の頃から最初の個展までに描いたものがほとんどで、よせばいいのに大作ばかり。パネルに張り込んだ絵は、一枚一枚はさほどでなくても、まとまるとかなりの重量になる。この家の耐震性に響きかねない気がして、嵩(かさ)を減らそうと思い立った。

場合によっては絵そのものを処分しよう、と始めたものの、それはできなかった。
パネルから剥がし、よれよれの周囲をきれいに切って、大きいパネル二枚の間に挟む。
しばらくぶりに目にする絵たち。描いていた時の自分と再会する思いがする。
当時の必死さや甘さ、適当さやこだわり。技量は学生のそれだが、頑なに信じている色やテーマがあった。こんなんじゃだめだよ、と言ってやりたいがもう戻れない。なにがしかを逆に教えられて、片付けを終えた。

昨日描いた絵から、何かを学べるのはいつだろう。それは今日でなければ間に合わない気もするし、人生の終わる日であるかも知れないとも思う。いまはただ、描き続けるだけ。

この二年間の自分と向き合う機会を得ました。ぜひ見にいらしてください。

銀座校講師 五十棲さやか



五十棲さやか展
余白に響くもの—絹・紙に墨で描く
2014年9月30(火)〜10月12日(日)*10月6日(日)から作品を入れ替えます
ギャラリーモーツァルト

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